『死の家の記録』ドストエフスキー 訳:工藤精一郎
- 作者: ドストエフスキー,工藤精一郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1973/08/01
- メディア: 文庫
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著者が体験した獄中生活の記録。すぐれた作家にはすぐれた観察眼があるものだと思うけれど、その証左のような作品。口を結んで対象をじっと見つめれば、これだけのことが誰にでもわかる、というものではない。
「死の家の記録」というタイトルはまさにここが「死の家」であることを言い当てているけれど、同時に「生」があることも含んでいると思うことができます。
読む前は、作品の中でたくさんの人間が死ぬことを想像したけれど、読み終えたあとのわたしは、たくさんの人の生きた姿だけを覚えています。