2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

 鞄がぶつかったら「すみません」と謝った男の子がおもしろいと言った本。

わたしと三島由紀夫との初めての出会いは、高校のときの友人が最も好きな作家に三島由紀夫を挙げていたことに始まります。わたしは三島由紀夫なんて知らなかった。名前を聞いたことがあったかどうかもあやしいところです。恥ずかしながら。大学生になってよ…

 想像力合戦

SFの世界にやってきました。このジャンルにわたしはこれまでほとんど触れてこなかったのですが、やっと手にとりました。 たとえばミステリーならば、作者が隠している、あるいは隠そうとしている解答やトリックや驚きを、こちらが先に見つけようとする楽し…

 しかしよくできている。

しかしよくできてるなぁ。と感心はするのだけれど、ちっとも胸に迫ってこないのは、わたしが今まで組織という場での理不尽さをまともに受け取ったことがないからなのでしょう。なんだかんだ文句はあるにせよ、自由な環境でやってきたように思います。そのせ…

 パレットの上で混ざる絵の具のような。

こういう小説があるのだな、という静かな感動。それはとても小さく、大きな衝撃として訪れたわけではないけれど、たしかに芽生えた感動。仕事で上司に怒鳴られたり、株を運用したりというような人生の具体的な場面と、星や山や海や微粒子について物語るよう…

 あっち行け。

友達のエイヒレさん(『uubの小屋』参照。どこかにエイヒレさんがひそんでいます。)からもらった文庫です。だいぶ前にプレゼントしてもらって、ちょっと読んでみたけれど、あまりしっくりこなくて数ページでやめて、そのまま置いてあった本です。 再び手…

 「だめだよ」と、彼はいった。

最初から最後まですご過ぎて、なにを書いたらいいのかわかりません。いや、書きたいことを書こうと思うと、全部の文章をここに引用することになりそうなので、めんどくさくてできません。 わたしはまだ、大切な(身近な)人の死というものを経験したことがな…

 まだまだ訓練が足りない。

この作品の感想を書く上で最初に言っておかなければならないと思うのですが、わたしは小学生のときから(もしかしたらそれよりも前から)どちらかと問われるのなら、完全に文系の人間であった、ということです。好き嫌いや得意不得意の問題もあるだろうけれ…

 それ、一週間まえのわたしのセリフ。

一週間ほど前、なんの因果からかたまたま手にして読んだ『眠狂四郎』。 その日までこの名前をなんて読むのかも知らなかった、「ネムリキョウシロウ」。 そしてつい先日、それとはなんの関連もなくたまたま買ってきた『すべてがFになる』。 ここに「眠狂四郎…

 断念しました。

けっこう前に購入して読んで、なんじゃこりゃ。と思って読むのをやめました。城(の主)から呼ばれているのに、城に入れてもらえないとは、いったいどういう了見だと。わざわざ遠いところから出向いてきて、しかもたどり着いた村は雪に埋もれ歩くのもままな…

 柔らかな太刀

眠狂四郎、かっこいい時代劇のヒーローかと思ったら、そうでもない。「強い」というよりは「鋭い」という印象で、伝説に語り継がれる偉業を残すよりは、瞬時に咲き乱れ、散る。そういうタイプに思われます。どんなに強くてもヒーローとして映らないのは、そ…

 眠狂四郎――とおぼえて置いてもらおう

ひさしぶりの時代小説です。ねむりきょうしろう。知らないと読み方がわかりません。まだ一切の素性が明かされていない謎の浪人。必殺技は「円月殺法」。これも読み方がよくわかりません。えんげつさっぽう? とにもかくにも、時代小説です。 わくわくしなが…

 わたしは泣きそうになりました。 

id:maxbaoさんが教えてくれた岡嶋二人の『タイトルマッチ』。話の進み方が抜群にうまい。子供が誘拐されてから見つかるまでの3日間、それはたったの3日間だけれど、3日あればいろんなことが起きます。そのいろんなことの持ち出し方がうまいなぁと感じるので…