2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

 『アリア系銀河鉄道』〜三月宇佐見のお茶の会〜 柄刀一

アイデアマン。という単語はあまり自分の口に馴染まないけれど、この作品を読んだら真っ先にそう思いました。生み出される謎のおもしろさよりも、その謎が生み出される状況や現象が楽しい。不可解な空間で起こる謎は、空間自体がすでに謎をはらんでいるから…

 決意表明

こんばんは。先日、仕事で最低な文書を書きました。そのことを昨日別のブログに書きました。そしてまた、ここでも書いています。 最低な文書は、今日自分で郵便局へ出してきました。宛先の人の手にはきっと、明日届くのだろうと思います。昨日よりは幾分いい…

 『瑠璃の契り』北森鴻

初の出会い。北森鴻。偶然、先日読み終えたところでした。 とても女性的な文章を書く人だなぁ、というのが作家・北森鴻に対するわたしのもっとも強い印象です。男性が読んでどう感じるのか聞いてみたいところですが、また、他の女性が読んでどう感じるのかも…

 『東京湾景』吉田修一

だいぶ前に書いた感想文の中でも触れているのですが、吉田修一の『東京湾景』の中で「恋愛の絶頂はいつか」という会話が出てきます。 それを最近になって思い出して、はたして自分は「いつ」が恋愛の絶頂だろうかと考えたときに(かなり真剣に考えました)、…

 『竹馬男の犯罪』井上雅彦

「ホラーミステリー」と分類されるジャンルを読むのは、わたしの記憶では初めてです。「ホラー」と言われると、わたしは映画で観た気持ち悪い映像を連想してしまうので、そしてそういう類のものを見たいとは思わないので、小説でも「ホラー」と分類されてい…

 どうぞ今年もよろしくお願いします。 

こんにちは。ものすごく久しぶりに落ち着いて机に向っています。わたしのパソコン・アーリー君の横には、あったかい紅茶とケーキまで用意しました。有名なパティスリーのお菓子ではなく、コンビニで買ってきた190円のワッフルケーキであることが残念といえば…

 『スイス時計の謎』有栖川有栖

有名な現代ミステリー作家だけれど、わたしが知っていたのは名前だけ。作品は初めて読みました。日本のエラリー・クイーンと呼ばれるとか呼ばれないとか。 有栖川有栖が日本のエラリー・クイーンと呼ばれるということに対しては、うん、なるほどな、と思わなく…

 『りら荘事件』鮎川哲也

上質な作品だと思いました。衝撃的な驚きはなかったけれど、きちんと整理整頓されている、といった印象です。無茶な感じもない変わりに、心躍る感じもありませんでした。でも、上質なので、無難と言ってしまうのは憚られます。 「りら」というのは「ライラッ…

 『パズル崩壊』法月綸太郎

お正月に山形まで旅行していたのですが、帰りの新幹線で読む本がなくなってしまったので、山形の雪の中から持ち出してきました。 新幹線つばさ君に乗って、一緒にやってきたのは法月綸太郎の『パズル崩壊』。上質な短編集。 いいですね。スタイリッシュな文…

 『姑獲鳥の夏』京極夏彦

わたしは現代作家の小説をあまり好んで読みません。きっとおもしろくない、と思っているからです。もっと正確には、わたしが小説に求めるものはおそらくないだろう、と思っているからです。 わたしにはとっても好きな人がいます。その人がミステリー小説(特…