2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

 <夏目漱石月間>『それから』vol.1

最初に読んだときに、なんとまあ。と感動した作品です。驚きに満ち溢れています。 日本語のレベルが違う。 夏目漱石について、何度も繰り返し言っていることだし、たぶんこれからも何度でも繰り返すのだと思うけれど、何度読んでもそう思います。日本語のレ…

 <夏目漱石月間>『三四郎』vol.8

ようやく読み終わりました。あまりにもノロノロ読んでいたので、もう読み終えられないのではないかと不安になったくらいでした。読み終わってよかった。 物語に描かれた世界の時代こそ違うけれど、見事なまでの普遍性を感じます。景色も服装も町並みも交通機…

 <夏目漱石月間>『三四郎』vol.7

三四郎、とうとう告白です。 画家の原口さんを三四郎は訪ねていきます。そこにはモデルを頼まれた美禰子がいることを三四郎は知っていました。 美禰子は三四郎に問います。 「今日何か原口さんに御用が御有りだったの?」「いいえ、用事はなかったです」「じ…

 <夏目漱石月間>『三四郎』vol.6

夏目漱石月間、3冊読む予定ですが、10日が過ぎた今、まだ『三四郎』を読み終わりません。がんばります。 『三四郎』の中には、わたしにとって真実として定着してしまった一文があります。一度読んだときに目にしてから、完全に浸透してしまって、ことあるご…

 <夏目漱石月間>『三四郎』vol.5

この月間シリーズを始める前に『三四郎』は読んだことがあって、前回もここに感想文を書いているのですが、その際に引用した文章とまったく同じ部分を、今回もまた引用します。あまりにも美しくって。 三四郎が美禰子の家へ来たシーンです。 すると奥のほう…

 <夏目漱石月間>『三四郎』vol.4

三四郎が別段の用事もなく、広田先生のところを訪ねた場面です。 三四郎は近頃女に囚われた。恋人に囚われたのなら、却って面白いが、惚れられているんだか、馬鹿にされているんだか、怖がって可いんだか、蔑んで可いんだか、廃すべきだか、続けべきだか訳の…

 <夏目漱石月間>『三四郎』vol.3

広田先生の引越しを済ませたところまで(103項)読みました。 誰かが誰かと知り合うことや、誰かが誰かと並んで歩くことや、誰かが誰かを会話をするという日常。そうした、ただそこにあるだけの事実が、夏目漱石の文体の上に乗るとアートになる。 野々宮君の…

 <夏目漱石月間>『三四郎』vol.2

大学の講義に平均一週に約四十時間出席しているが物足りないと言う三四郎に、佐々木与次郎は「馬鹿々々」(40項)と言います。 「下宿屋のまずい飯を一日に十辺食ったら物足りる様になるか考えてみろ」(40項) と。 そして、物足りるようになるには「電車に…

 <夏目漱石月間>『三四郎』vol.1

6月は夏目漱石です。伊坂幸太郎を読んでいたら、すごく夏目漱石が読みたくなったのです。もちろん両者に関連性はまったくありません。 夏目漱石。わたしにとって、とっておきの作家のひとりです。もう少し後にするつもりでいたけれど、読みたくなったときに…

 <伊坂幸太郎月間>Final

全部で8冊読みました。読んだ順番は以下の通り。 『オーデュボンの祈り』 『ラッシュライフ』 『魔王』 『陽気なギャングが地球を回す』 『陽気なギャングの日常と襲撃』 『アヒルと鴨のコインロッカー』 『グラスホッパー』 『重力ピエロ』 少し無理をして…