2012-01-01から1年間の記事一覧

 『四つの署名』コナン・ドイル 訳:延原謙

あんまり読書意欲のない今日この頃。もともとすっごく読むというタイプでもなかったけれど、ほんとに読まなくなっちゃいました。ああ、嘆かわしい。 お馴染みシャーロック・ホームズシリーズの長編二作目『四つの署名』。話は少し変わりますが、青山剛昌の漫…

 『ブルックリン・フォリーズ』ポール・オースター 訳:柴田元幸

いつもとてもおもしろい小説を書くオースターの、やっぱりいつもの通りの魅力ある小説。 ある著名な作家、あるいは自分の好きな作家が書いた作品はどれもおもしろいというのはよくあることで、だからオースターがまたひとつおもしろい作品を書いたからと言っ…

 『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー 訳:原卓也

何度目かの再読。もう一度読み返したいなぁと思うたびに、でも長いし大変だしまたいずれそのうちすごく読みたくなったときに、と思って放っておいても、きちんとその「いずれそのうち」がやってくるところが、この作品の毒性です。なんで読みたくなるのやら…

 『三銃士』アレクサンドル・デュマ 訳:竹村猛

家庭内読書会「古典的名作を読もう」企画、第17回課題本。 正直なところ、この作品、よく150年以上も生き残ったな、というのがわたしの感想。つまらないとは思わないのだけれど、後世に永く語り継がれる作品の独特さが、わたしには感じられなくて。あっちこ…

 『切りとれ、あの祈る手を <本>と<革命>をめぐる五つの夜話』 佐々木中

小説ではなくて、人文書。 ギャンブルってみなさんは好きですか?わたしはまったくダメなんです。競馬やパチンコももちろんしないのだけれど、そういう「賭け事」の代名詞のような存在だけではなくて、たとえば投資、あるいは宝くじ、はたまた福袋のようなギ…

 『シャーロック・ホームズの帰還』コナン・ドイル 訳:延原謙

シャーロック・ホームズの短編集、「冒険」「思い出」「事件簿」「帰還」の中だったら、この「帰還」が今のところ一番好きかもー。好きかもー。 第一の短編「空家の冒険」では、宿敵モリアティ教授との戦いにおいてライヘンバッハの滝へと姿を消したホームズ…

 『肉体の悪魔』ラディゲ 訳:新庄嘉章

家庭内読書会「古典的名作を読もう」企画、第16回課題本。 20歳で夭折した作者の16歳から18歳の間に書かれたとされる作品。当然、20歳以前の年齢の少年が書いたとは思えない筆力が、作者の名声をより高めたのだろうと思うし、訳者のあとがきにもこうあります…

 『はてしない物語』ミヒャエル・エンデ 訳:上田真而子/佐藤真理子

家庭内読書会「古典的名作を読もう」企画、第15回課題本。 繰り返し2回続けて読みました。 小学生と中学生の頃に映画「ネバーエンディングストーリー」を観ていますが、わたしはあまり学びのない子供で、自分の見ている映画に「原作」というものがあることも…

 『シャーロック・ホームズの思い出』コナン・ドイル 訳:延原謙

前の更新から一ヶ月も経ってしまったんですね。ああ、嫌なものです。自由に文章が書けないというのは。 シャーロック・ホームズのシリーズを全部読んで、わたしの好きな作品ランキングとその理由を書くことを、いつかの楽しみにして繰り返し読んでいます。と…

 『第一阿房列車』内田百間

家庭内読書会「古典的名作を読もう」企画、第14回課題本。なんだか嫌なので先に注釈しておきますが、著者名「内田百間」の「間」は、本当は門の中が「日」ではなくて「月」です。名前は正しく書かないと。ごめんね、ひゃっけんさん。 夏目漱石の『坑夫』に少…

 『葬送』平野啓一郎

19世紀の、おそらく現代に至るまでもっとも人々に愛され続けている音楽家、フレデリック・ショパンと、その愛人であったジョルジュ・サンド、そしてショパンの友人であり19世紀を代表する画家でもあるウージェーヌ・ドラクロワ。三者を中心とした二月革命下…

 『シティ・オヴ・グラス』ポール・オースター 訳:山本楡美子・郷原宏

家庭内読書会「古典的名作を読もう」企画、第13回課題本です。過去12回の間にも「古典」ではない作品があったように思いますが、もうあまり気にしないので、みなさんも気にしないでください。 現代作家の中でわたしがいちばん好きなポール・オースターのデビ…