2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

 『人格転移の殺人』西澤保彦

タイトル通り、人格が転移するんです。 アメリカのカリフォルニア州にある、小さな(ちんけな)ハンバーガーショップが事件の始まりです。たまたまその店にやってきていた7人の男女(内、ひとりはお店の従業員)。国籍も年齢もバラバラ。彼らが食事をしたり…

 『ちはやふる』1・2巻 末次由紀

ひさしぶりに、わたしの文章を書きます。すでに泣きそうですが、がんばって書きます。 コミックの感想文を書くのは初めてでしょうか。昔は人並みに読んだけれど、今は全然ですね。特に少女漫画はもうまったく読まなくなりました。自分で選んで買った最後の少…

 『Yの悲劇』クイーン

一箇所だけ探すとしたら、ここ。 舞台人として名声の絶頂にあったとき、彼は、おびただしい讃辞と、それと同じ程度の嘲罵を浴びた。「全世界を通じて劇壇の第一人者」といわれるかと思うと、「この驚異に満ちた現代で、なお虫食いのシェイクスピアにとりつい…

 『斜陽』太宰治

僕が早熟を装って見せたら、人々は僕を、早熟だと噂した。僕が、なまけものの振りをして見せたら、人々は僕を、なまけものだと噂した。僕が小説を書けない振りをしたら、人々は僕を、書けないのだと噂した。僕が嘘つきの振りをしたら、人々は僕を、嘘つきだ…

 『アラビアの夜の種族』古川日出男

初読が今年の5月だったので、4ヶ月ぶりの再読です。 とても大雑把な分類だけれど、わたしは「とても長い小説」は、あまり得意ではありません。分量だけで言うと、ポール・オースターの『偶然の音楽』くらいが、わたしには丁度いいです。『ムーン・パレス』だ…

 『孤独の発明』ポール・オースター

ノリに乗っているな。というのが、わたしの本作品への見解です。しかしそれは、たとえば『ミスター・ヴァーティゴ』のような物語性に溢れた奇想天外ワンダーランドっ!という種類の「ノリ」ではまったくありません。前に向ってドビューンと進んでいける勢い…