長かった。

とうとう念願かなって『百年の孤独』を読みました。読みきりました。
長かった、というのがこの物語に対するわたしの感想のすべてです。というのはさすがに安易過ぎますが、それでもこの一言が読後のわたしの心の大半を占めていたことは確かです。実に長い。

長い小説というのはいくらでもあります。単純にページ数だけを比較するのなら『百年の孤独』と同じくらいの小説はいくらでもありますし、それ以上の分量を持った小説もいくらでもあります。そしてわたしは『百年の孤独』より長い小説を読んだこともあります。たとえば『カラマーゾフの兄弟』や『レ・ミゼラブル』などはいい例でしょうか。
にも関わらず『百年の孤独』は今までに読んだことのあるどの小説よりも「長かった」。原因はいくつか考えられますが(1.改行が少なくページの余白部分があまりないので、ページ数に対する文字数の割合が普段読んでいるものよりも多い。2.一文が長い。句点までの距離が平均して三行くらいある。3.登場人物の名前が似ていて、最初に掲載されている家系譜のページへ何度も何度も戻るはめになる。←頭のいい人ならこれは回避できるでしょう。4.いたるところで、その出来事が起きた時点が前後するため「時間」に振り回される。←頭のいい人ならこれも回避できるかもしれません。など。)、個人的に、この物語が長いと感じた一番の要因は「物事が繰り返される」ことにあるのではないかと感じています。誰かが怒り、誰かが泣き、誰かの気が狂い、誰かが閉じこもり、誰かがいなくなり、誰かが帰ってきて、誰かが誰かを産み、誰かが死ぬ。物語は延々その繰り返しです。その後ろである一つのことが進行してはいるのですが、ずっと先の方になるまでその事が物語りの軸になっているのだとわたしは気がつけなかったし、たとえ気がついていたとしても、やはり「延々の繰り返し」は「延々の繰り返し」として読まないことには後ろで進行している事が価値を持つことができません。要するに、後ろで進行していることは「延々の繰り返し」があることによって初めて成立するのであって、たとえばそのことだけを取り出して読んでもまったく意味がないのです。そういう構成になっています。すごい。(むごい。)

そういうわけで長いです。しかし、すばらしいです。
これから読まれる方、心して、しかし、是非とも、ご一読ください☆





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