ぼくと、ぼくらの夏
仕事から帰ってきた父親が、新聞を見ながら息子の春一に尋ねます。
シュン、岩沢訓子って女の子、知ってるか
うちのクラスだよ。
偶然だな。
岩沢がどうしたのさ。
死んだ。
そこから始まる『ぼくと、ぼくらの夏』。
偶然の重なりなのでしょうが、立て続けにしょうもない教師が出てくる本を読んでいて、ここでもおもしろくもない教師が出てきて、なんだかんだと自己の正当性を主張して、くだらないことしか言わないのでうんざりしました。
あなた、わたしと寝たいの?
だって。教師なんかほんとに辞めたほうがいいよ。自分のためにもさ。
くだらない教師が出てくると、魅力的な生徒もセットになって出てきます。主人公の春一と、彼と一緒に事件の捜査を始めた麻子さん。わたしは、春一の一言に腹を立てた麻子さんが彼を殴るシーンがとても好きです。
麻子さんの目が、きらっと光って、そのとたん右の掌がぼくの頬を狙って、ぶーんと飛んできた。避けなかったのはぼくの油断だった。それはスナップショットではなく、腰を入れて、自分の背中からまわしてきた強烈な平手打ちだった。
腰を入れた容赦のない平手打ち。自分の感情に自信を持った女の子じゃないとできないと思うんだよね、こういうことって。
いつかやってみたい。