グリーン・マイル

u-book2007-11-23



映画のほうが有名でしょうか。

フランク・タラボン監督×スティーブン・キング脚本のトム・ハンクス主演映画『グリーン・マイル』


舞台は1932年、大恐慌下のアメリカ南部、コールド・マウンテン刑務所の死刑囚舎房。そこで看守を務めているポールのところへ、ひとりの囚人が送られてきます。ジョン・コーフィ。身長は2メートル、体重は140キロはあろうかという巨体。彼は幼い双子の姉妹を強姦し、殺害した罪で死刑を宣告されていました。ところがコーフィーには不思議な力があって。。


その不思議な力を目の前にしたポールはコーフィーの罪を疑い始めます。双子の姉妹を殺害したのは本当にこの男なのだろうか。もし彼が無罪なら、自分たちはとんでもない罪を犯そうとしているのではないか。


コーフィーは犯人ではありませんでした。それどころかこの世界でただひとり、人の命を救える力をもった「神の贈り物」でした。そのコーフィーを自分たちは死刑台に送ろうとしている。


「もしおれが死んで、主なる全知全能の神さまからなぜそんなことをしたのかと質問されたら、いったいどう答えればいい? 自分の仕事だったからと答えればいいのか? 仕事だったから、と?」


人の命を救える男を、救える方法。



物語はとても悲しい結末を迎えます。わたしはこの話を読むたびに、読まなくても思い出すたびに、スティーブン・キングという人を少し、でもとても深く恨みます。こんな悲しい話を書くなんて。きっと残酷で根性の捻じ曲がった人に違いないと思ったりします。


コーフィーは暗闇が嫌いでした。暗闇をとても怖がっていました。神さまからの贈り物だった彼がこの世界に置いていったのは、明かりへとつながる一筋の希望でした。その彼を救えない世界なんて最低です。そんな世界はなくさなくちゃいけない。救える世界にしなくちゃいけない。



でもどうしたらそれができるのか、わたしにはわからないんだ。みんなで考えたら、考え続けたら、答えはいつか見つかるのかな。




スティーブン・キング著『グリーン・マイル』新潮社>