しかしよくできている。

u-book2009-02-22



しかしよくできてるなぁ。と感心はするのだけれど、ちっとも胸に迫ってこないのは、わたしが今まで組織という場での理不尽さをまともに受け取ったことがないからなのでしょう。なんだかんだ文句はあるにせよ、自由な環境でやってきたように思います。そのせいか組織の中の権力構造と自分の信念との間でがんじがらめになっている主人公の気持ちが、どうしても「他人事」の域を脱しません。よその会社の人事の経過を見ている、という以上のストーリーになっていかないのです。元も子もない言い方になってしまうのですが、辞めればいいのに。。と思ってしまうのです。そしてそれは、つまるところ、この小説の中にわたしの人生にとっての大事なものがないからなのだろうなと感じます。それが何かと聞かれると困ってしまうのだけれど。


しかし、よくできています。


<'09.2.19.BOOK・OFF目白駅前店にて>



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