天才である。

u-book2009-03-02



「この人は天才である」と言われている人を見ることはそんなに少なくないけれど、「この人は天才だ」とわたしが感じた人はそんなに多くはなくて、でも三島由紀夫は天才なのだろうな、と思いました。夏目漱石モーツァルトであるなら、三島由紀夫はバッハのような音楽が鳴っていると感じます。天から舞い降りてくるような恵まれた音楽ではなく、神へ問いかけるために天へと立ち昇らせていくような音楽。ちょっと情緒過ぎる言い方ですが、そう思います。


ただ、すごく怖かった。恐ろしいと思いました。こんな視線で世界や他人を見ている人が存在しているのかと思ったら、常に身構えていないとあっという間に自分の存在を無価値にされてしまいそうです。そしてそれができてしまうことが、天才である人の苦痛であり、その苦痛を味わえることが「天才である」ということなのでしょう。


この文章が書けるために必要だった負債を想像すると、わたしはそれだけでひどく悲しくなります。余計なお世話に過ぎないかもしれないけれど。。





ご購入はこちらから↓