長編ベスト1

u-book2009-03-26



これでシャーロック・ホームズシリーズの四つの長編をすべて読むことができました。長編が四つ。他人と比較・議論するのに大いに盛り上がる作品数ですね。


わたしは『恐怖の谷』をベスト1に挙げようと思います。一番おもしろかった。事件の影にモリアティ教授の存在があることも影響しています。宿敵といわれる人物がいると、大いに(読書を)張り切ってしまいます。でもそのこととは別に事件のミステリー性にも大いに興味をそそられたし、得られた解答も4つの長編の中で一番うなずけるものだったように思います。順番をつけるなら次が『緋色の研究』、三番目が『バスカヴィル家の犬』、最後が『四つの署名』でしょうか。漫画『名探偵コナン』の作者である青山剛昌は自分のオススメに『四つの署名』を挙げていましたが、思い返してみて、どういうわけか、わたしはこの作品の印象が一番薄いようです。もう一回読んだらあっという間に順位は入れ替わるような気も致しますが。


『緋色の研究』『四つの署名』と同じように『恐怖の谷』も二部構成になっていて、後半は事件にいたるまでの経過を記述したものですが、三作品ともに共通して、やはり前半と後半とでは趣がまるで違っています。同じ空の下で起きている感じがしないので、わたしの不器用な頭ではスイッチをぐいっと切り替える必要があります。ドイル自身はそんな風には思わないのか(作品を通して同じ雰囲気を維持しているのか)聞いてみたいところです。


コナン・ドイル月間、終わりが近づいてまいりました。あと、6日間。残るは56の短編ですが、すべてを読むことはできないので、作者自身が1927年に自薦したというベスト12を読んでみることにします。


<'09.3.21.あゆみBooks早稲田店にて>


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