ドイル自薦No.10『プライオリ学校』


学校へ預けた息子が失踪した事件です。頭の悪い息子を持つと親まで愚行に及ぶということのいい例ですね。親の地位と権力だけを頼りにした2世ほど、社会にとって迷惑なものはありません。一番大切なものを失わずに済んで本当によかったと思います。


現場からの数少ない手掛かりを頼りに目標物へと近づき、そこでまたさらなる手掛かりをひとつずつ手に入れていくというホームズ流調査の醍醐味が、存分に発揮されています。


普段は報酬などまるで気にとめないホームズですが、この作品では六千ポンドの額を自ら要求するかのように受け取っています。頭の悪い息子のために大切なものを蔑ろにした親へ、彼なりの罰を与えたのだとわたしは解釈しています。



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