ドイル自薦No.8『第二の汚点』


ここにきて長編を4つ、短編を8つ読んだことになりますが、自分がどんどんシャーロック・ホームズを好きになっていくのがわかります。長編よりもむしろ短編の妙に深い感動を覚えます。


『第二の汚点』は短編集としては3番目の『シャーロック・ホームズの帰還』の最後に収められています。事件は、大陸間の戦争にも発展しかねない重要な書簡が、総理大臣から絶対の信任を得ていたトリローニ・ホープ伯爵の家から盗まれることに始まります。


しかし最後はこの通りです。

さあ行こう。最後の場の幕があがるところだ。戦争にはならないし、トリローニ・ホープ伯爵の輝かしい前途にきずもつかず、無分別な君主がその軽率のゆえに痛い目にあうこともなく、総理大臣はヨーロッパ対策に悩まされることもないし、われわれがちょっと機転をきかせて処理すれば、ずいぶん不快な事件にもなりかねない問題を、誰にも損害をかけずに四方まるく納められる(370項)


工藤新一がシャーロック・ホームズに夢中になる気持ちがようやくわかってきました。



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