<夏目漱石月間>『三四郎』vol.8


ようやく読み終わりました。あまりにもノロノロ読んでいたので、もう読み終えられないのではないかと不安になったくらいでした。読み終わってよかった。


物語に描かれた世界の時代こそ違うけれど、見事なまでの普遍性を感じます。景色も服装も町並みも交通機関も技術進歩もなにもかもが現代とは違うはずなのに、どこもかしこも今と同じような息づかいがある。昔ならではの良さというような情緒を感じて感慨に耽るよりは、今と一緒じゃないかという感動や驚きのほうが大きい。しかもそれを語っているのが極めて上質な日本語なものだから、感動に落ち度がない。だから小川三四郎君の物語は、その名前のように平凡だけれど、時が経ってもなかなか色褪せない。



次は『それから』を読みます。





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