『BLESS』L'Arc〜en〜Ciel

今わたしはあまりたくさんの本を持っていません。何冊あるんだろう。100冊くらいでしょうか。昨年、持っていた本の大部分を処分しました。だから今手元に残っているのは、選んで残した本です。そしてそれらは、わたしが持つ唯一の本棚にすべて収まっています。この本棚は、名前を夏目春樹くんといいます。夏目春樹くん。

夏目春樹くんはどこからどう見ても本棚なのですが、なぜかその一部分がCDのサイズにぴったり合います。だからそこには、わたしが持つ数少ないCDもすべて収まっています。


なにが言いたいかと言うと「uubの本棚」だけど、今日は音楽。


先週発売されました。L'Arc〜en〜Ciel『BLESS』。月末の業務に追われて発売日当日を素通りしてしまったわたしです。といっても、普段CDを買う習慣はないので(借りるか、買ってもらうかです。誰に?秘密♪)、発売日を待ちに待っていたというほどでもありません。でも、ひさしぶりのシングルで、しかもバラードだということだったので、とても気になっていました。あ、そうそう。今さらですが、わたしはラルクのファンなのです。


月末業務を無事に終えたその日に、思い立ってCDショップに足を運びました。視聴できたらいいな。よかったら買おうかな、と。


わたしは人でも物でもなんでも、好きになるときは一瞬で好きになります。時間をかけてだんだんと、ということは滅多にありません。恐ろしいですが、人間がそういうふうに出来上がってしまったみたいなのです。


『BLESS』


恋に落ちたのは、曲のスタートから7秒後でした。雲の間を抜けるようにやわらかく響いた声に、Fall in Love. ああ、あの瞬間、わたしは幸せいっぱいでございました。


そりゃもう、高校生のときから好きなバンドですから、好きだということは当然わかっていたことではあるけれど、それでもやっぱりわたしは本当にラルクが好きだと、もう何度目かわからない再確認。ファンになった当初から、ヴォーカルhyde君の声が特別好きだったわたしですが、『BLESS』を聴くにあたりこちらももう何度目かわからない再確認。


わたしはhyde君の歌声が大好きです。特にフレーズの最後を収める声の魅せ方には最高の敬意を。ああ、Fall in Love.


さらに、曲。L'Arc〜en〜Cielというバンドはメンバー全員が作曲をするという可能性に恵まれたチームですが、アルバム『KISS』以降、hyde君の作曲が新たな境地を切り開いているのではないかという予感がありました。そしてそれは『BLESS』の作曲がhyde君であったことでより強いものとなりました。もう結成から20年が経とうかというバンドがこんなにも新鮮な曲を作れることはほとんど歓びと言っていいし、それでいてラルクの足跡を確かに感じることのできる一枚だと、わたしは思います。ずっと彼らの音楽を聴いてきたひとりのファンとして、これ以上に嬉しいことはありません。新しい曲に出会うたびに、過去に聴いた曲がより華やいで、また輝くのです。そして何より、今ここにある一枚から、未来を楽しみにできる。あーうれしいよー。


この記事を読んでL'Arc〜en〜Cielを、あるいは『BLESS』を好きになってくれる人はいないかもしれないけれど、そして、ここに書いたことはわたしだけが所有することのできる想いなのだろうけれど、わたしが彼らを大好きだということは、少しでも伝わったら嬉しいです。