『迷宮百年の睡魔』森博嗣


またしばらく更新が滞っています。不本意です。もう5月じゃないですか。なんてこったい。一冊でも多く読み、一文でも多く文章を書きたいと思います。


さて、森博嗣です。『すべてがFになる』に次ぐ読書体験2作品目。『F』の感想文を読み返してみたら、身体的な感覚が薄いと偉そうなことをわたしは言っていますが、『迷宮百年の睡魔』で同じようなことは思いませんでした。この本の中でわたしは迷宮イル・サン・ジャックの道を歩いたし、迷ったし、逃げたり、苦痛を感じたりしました。

『F』のときには登場人物にあまり温度を感じなかったのですが、『迷宮』ではみんな高い体温を帯びていたように思います。全体を通して詩的な文章が挟んであって、なるほど、森博嗣はこういうことも書くのかという発見もあり、森博嗣作品への楽しみが広がりました。


モン・サン・ミッシェルをモデルにしたイル・サン・ジャック。この作品を読んだ人は、モン・サン・ミッシェルに行ったら、イル・サン・ジャックと大きく書かれた旗を心に掲げてきましょう。