『天冥の標1』小川一水

だいぶ以前からSFを読みたい読みたいと思っていて、でも、何がおもしろいかわからず、ハズレを(わたしにとっての、ということですが)引き当てるのも嫌で、ひとまず手を出さずにいました。古典であれば、おもしろいか否かに関わらず、とりあえず読んでみようという気持ちにもなれるのですが、どうしても「現在」の「(できれば)おもしろい」SFが読みたかったのです。


そして『天冥の標』を手にしました。


十巻まで続くそうなので、単純に計算してまだ物語の十分の一しか読んでいないということですが、これを十巻まで読むのは辛いなという事態にはなりませんでした。と、ずいぶん慎重な言い方になってしまうのは、わたしがSFを読み慣れていないせいもあるし、サイエンスへの苦手意識のせいでもあるのですが、今はまだ物語を楽しむことより、その背景を把握することのほうを優先してしまいます。特定の固有名詞を覚えたり、次々に出てくる登場人物の名前覚えたり、彼らの特殊能力を覚えたり、地名とその位置関係を覚えたり、、、あまり得意じゃないんです(おまけにすぐ忘れる)。だからまだ物語の中に入っていくことができず、傍観していて、「よくできてるなぁ」と感心するほうが先に立ちます。そんなことでは困るのです。そんな読み方では読者uubの名が廃ります。わたしだって、アクリラと一緒に海に出たいのです!


そういうわけで、なるべく早めに(忘れないうちに)2巻に進みたいと思います。