『ハムレット』シェイクスピア


サマセット・モームの『月と六ペンス』の中に、シェイクスピアの引用がいくつか出てきて、それを見ていたら無性に読みたくなって、買ってきました。シェイクスピア作品は他に2つ、3つ読んだことがあると思うのですが、『ハムレット』は初めて。あらすじも知らず、あの有名なJohn Everett Millais の絵『オフィーリア』だけが、わたしの『ハムレット』に関する唯一の情報でした。


まさか、こんなにおもしろいとは。


これが1600年の作品?400年前の作品?ちょっと勘弁してほしい。現代の作品を読むより楽しいなんて。400年にわたる文学の努力をわたしはどう感じたらいいのでしょうか。特に序盤の躍動感は抜群でした。
シェイクスピアと言えば、物語よりもその中のセリフの数々が後世においてひとり歩きをするくらいに有名だけれど、そしてわたしはそのことをこれまで特に意に介さなかったけれど、今はすべてのセリフを暗記したいくらいです。実際に声に出して読み上げたいくらいです。いや、いくつかのセリフは大声で歌うように読み上げました。これがまた、ちょー気持ちいい。


でも物語の後半、オフィーリアが狂い始めたあたりから、なんとなく物語も狂い始めていくような気がします。どこに向ってるのか指針がいまいちわからなかったです。しかし、この歌うようなセリフの数々は、うん、素晴らしいとしかいいようがない。この歌の余韻が思い出されるたびに、わたしはまた『ハムレット』読みたくなるんだろうな。