『天冥の標1(下)』小川一水


全10巻だというから全部で10冊だと思っていたら、なんとまあ、1巻はさらに上下巻に分かれていたと、下巻を買うまで気がつきませんでした。最初に1巻の下巻を買っていなかったことは幸運だったと思うべきでしょう。なんてまぬけ。


登場人物の名前や、彼らの特殊な能力や、それに伴う特有の固有名詞や、物語上の地理関係や、そういう諸々の耳にしたことのない言葉や構図を頭に入れることが苦手なわたしは上巻ではその記憶により力を注いで読みました。その甲斐あってか(作者の力量かもしれません)、あまり混乱せずに読み進めることができていて、良い感じ、良い感じ、わたしってばSF得意じゃん。と思っていたら、なんと。なんとなんと。あろうことか下巻の終わりにいたって全員死んじゃったっ!?いや、ほんとですよ。登場人物ほとんど全員死んじゃったんですけど。ちょっとちょっと、せっかく色々覚えたのに!?この先9巻分のために覚えたのに!?また一から始まるとでも!?なんてこったい。


まあいいです。読んでみます。なお、1巻を通してわたしの心にもっとも強く与えられた感想は、「エランカ、嫌い。」です。自分の正義が一番大事になる人は、わたしはあんまり応援できません。