『モモ』ミヒャエル・エンデ 訳:大島かおり


家庭内読書会「古典的名作を読もう」企画、第十回課題本。


すっごくいい小説でした。この本を読んで、わたしは自分の生活の「いまこの瞬間」に、ワクワクすることを覚えました。


それは、このなぞなぞを、モモと一緒に解いたからです、きっと。

三人のきょうだいが、ひとつ家に住んでいる。
ほんとはまるですがたがちがうのに、
三人を見分けようとすると、
それぞれがたがいにうりふたつ。
一番うえはいまはいない、これからやっとあらわれる。
二ばんめもいないが、こっちはもう出かけたあと。
三ばんめのちびさんだけがここにいる、
それというのも、三ばんめがここにいないと、
あとの二人は、なくなってしまうから。
でもそのだいじな三ばんめがいられるのは、
一ばんめが二ばんめのきょうだいに変身してくれるため。
おまえが三ばんめをよくながめようとしても、
見えるのはいつもほかのきょうだいの一人だけ!
さあ、言ってごらん、
三人はほんとは一人かな?
それとも二人?
それとも――だれもいない?
さあ、それぞれの名前をあてられるかな?
それができれば、三人の偉大な支配者がわかったことになる。
三人はいっしょに、大きな国をおさめている――
しかも彼らこそ、その国そのもの!
そのてんで三人はみなおなじ。