『恐怖の谷』コナン・ドイル 訳:延原謙


朝の読書習慣2015の10

恐怖の谷 (新潮文庫)

恐怖の谷 (新潮文庫)


ホームズ長編小説最後の作品。ホームズの長編は4つしかなくて、そのうちの3つが一部二部の形式。これもまた一部で事件から解決編まで、二部で事件の起こった背景、と明確に分けて書いています。


この一部二部形式の良さを、わたしはいまひとつ味わえなくて。「緋色の研究」も「四つの署名」も、そしてこの「恐怖の谷」も。一部は楽しく読めるのだけれど、二部は読んでいるうちにだんだんとテンションが下がってしまう。3作品ともに、そこには切迫感のある物語が描かれていて、キャー!!ドキドキ。となるのだけれど、ワクワク感が足りないんです。


一部では味わえるこのワクワク感の正体はなんだろうと考えてみたけれど、考えてみるまでもなかったですね。だって二部にはホームズがいないんだもの。


長編小説を書くときに一部二部の形式を採用した理由を、どこかでドイルは語っているかしら。