『天帝のはしたなき果実』古野まほろ

朝の読書習慣2015の15

天帝のはしたなき果実 (幻冬舎文庫)

天帝のはしたなき果実 (幻冬舎文庫)

「これダメかも」と声に出してうんざりしたのは26項目だったと思います。そしたらこの本の持ち主が、「じゃあいいよ、読まなくて」って言うんです。いつもはわたしが嫌がっても読ませたがるので、なんだか様子がおかしいな、怒らせたのかなと思って、「でもまだ事件が起きてないから、もう少し読んでみる」と言うと、「いや、ほんとにいいって。その本は読む人をかなり選ぶから」と。

その言葉が聞き捨てならなかったわたし。

いやいや、選んでいるのはわたしで、この本に選ばれたり選ばれなかったりされる覚えはないぞ、と。


というわけで最後まで読みました。事件が始まってしまえば、「ダメかも」なところもさほど気にならずに読むことができました。
かと言って、気に入るところがあったわけでもなく。いや、ひとつだけあったのだけど、こんなに濃密な作品を読んでひとつだけ、じゃあねえ。やっぱりわたしはこの本に選ばれなかったのだと思うことにします。

選ばれないほうが、ありがたいです。

ちなみにひとつだけ、読んでよかったと思ったのは、またしても「首を切った理由」でした。わたしは首を切りたいのかな。。。。いえいえいえいえいえ!!思ったことありません!!


でもこれで、uub推薦「三大首切り探偵小説」ができました。


笠井潔の『バイバイ、エンジェル』は、ただひたすらに醜い首が切られ、
森博嗣の『数奇にして模型』は、ただひたすらに欲しい首が切られ、
古野まほろの『天帝のはしたなき果実』は、ただひたすらに切り離したい首が切られました。