マノンをマルグリットに贈る

u-book2009-01-14


マノンをマルグリットに贈る 慎み深くあれ(32頁)


これはデュマ・フィスの『椿姫』の中の一文ですが、この「マノン」こそアベ・プレヴォーの『マノン・レスコー』に他なりません。マノンとマルグリット、フランス文学の二大娼婦と言って差し支えないかもしれません。そのふたりがこの一言のうちに並んで登場しているのには、やはり何かしらの迫力を感じさせます。

さて、マルグリットに贈られた『マノン・レスコー』(1731年)ですが、時間を逆行して反対の順番で読んでしまったものだから感想も逆さまになってしまいました。『椿姫』(1848年)によく似ている、と。

いや、本当によく似ています。特に恋愛の症状ですね。一瞬で燃え上がるのに、一度燃え上がってしまうと死ぬまで燃え続けているところなどはさすがと言うべきでしょうか。その激しさたるや、悲しみの涙まで焼いてしまいそうです。

マルグリットを愛したアルマンの目に『マノン・レスコー』はどう映ったのでしょうか。

<09.1.10.あゆみBooks早稲田店にて>





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