2009-01-01から1年間の記事一覧

 <伊坂幸太郎月間>『アヒルと鴨のコインロッカー』

まず、わたしは河崎君に同情できない。こういうところ、わたしは本当にだめなのです。小説だろうがなんだろうが、セックスに対する彼のような無責任さをわたしは許すことができません。 若々しい正義感や、爽やかだけれど切ない友情、心の大事な場所に隠して…

 <伊坂幸太郎月間>『陽気なギャングの日常と襲撃』vol.2

大ヒット映画のパート2はおもしろくないことが多いですが、この作品にもそれに通ずるところがあるように思います。ストーリーの大きさが、彼らの手に余る。そう感じました。 前作では横取りされた金を奪い返すというあらすじでしたが、今回はお金を奪うこと…

 <伊坂幸太郎月間>『陽気なギャングの日常と襲撃』vol.1

『陽気なギャングが地球を回す』の続編です。 人の嘘がわかるリーダーの成瀬、口八丁のでたらめ響野、クールなドライバー雪子、スリ名人の久遠。相変わらずの4人です。 この作品は第一章と第二章に別れていて、第一章は、彼ら4人をそれぞれに主人公とした短…

 <伊坂幸太郎月間>『陽気なギャングの日常と襲撃』vol.0

せっかく『陽気なギャングが地球を回す』を読んだので、彼ら4人のキャラクターや過去の情報を忘れないうちにやはり続編は早いうちに読んだほうが得策だという結論に至りました。 ところで。 『陽気なギャングが地球を回す』は文庫判サイズなのに、この『陽気…

 <伊坂幸太郎月間>『陽気なギャングが地球を回す』vol.2

作者があとがきで書いているように「四人の銀行強盗が出てきて、わいわいがやがやと喋りながら、騒動に巻き込まれていく話です。」(378項) 軽快ですね。この作品が一番読ませるのは「会話の掛け合い」じゃないかと思います。ポンポンポンポンとよくもまあ…

 <伊坂幸太郎月間>『陽気なギャングが地球を回す』vol.1

読書というのは不思議なもので、つい最近読んだ本が今読んでいる本の中に登場する偶然が、けっこうな確率で起こります。 ここでは『カラマーゾフの兄弟』が出てきました。先月二回繰り返して読んで、未だ興奮冷めやらぬうちの再会です。世界の傑作。それにし…

 <伊坂幸太郎月間>『魔王』vol.1

実家で母の帰宅を待っている間に読み終わってしまいました。帰りの新幹線で読む本がなかったので、大好きな BUMP OF CHICKEN の『ロストマン』を延々一曲リピートしながら帰ってきました。 ただいま。 今月の<伊坂幸太郎月間>は、ある知り合いの男性が、現…

 <伊坂幸太郎月間>『魔王』vol.0

これから、母親のタツコさんのお誕生日祝いをしに、実家の名古屋へ帰ります。新幹線の中で読むのは『魔王』。 ではいってきます。

 <伊坂幸太郎月間>『ラッシュライフ』vol.2

読み終わりました。 なるほど。こういう小説もあるのか。ふむ。 大きく分けて、五つのストーリーがあります。まず、泥棒を生業とする「黒澤」のストーリー。リストラの憂き目にあった「豊田」のストーリー。権力者からの庇護を選んだ画家「志奈子」のストー…

 <伊坂幸太郎月間>『ラッシュライフ』vol.1

『オーデュボンの祈り』に続く、デビュー二作目。 わたしはつい最近まで知らなかったのですが「春樹チルドレン」と称される作家がいるのだそうで、伊坂幸太郎はその代表格に見なされているようです。 なるほど、『オーデュボンの祈り』ではわたしは何度も何…

 <伊坂幸太郎月間>『オーデュボンの祈り』vol.4

読み終わりました。物語を簡単にご紹介。 コンビニ強盗をして警察から逃げてきた主人公の伊藤は、見たことも聞いたこともない場所「荻島」にやってきます。その島には未来のみえるカカシ「優午」がいます。しゃべるカカシです。島で何か起きれば、優午がすべ…

 <伊坂幸太郎月間>『オーデュボンの祈り』vol.3

「人が人を裁けると思うか」という桜の問いに対して、主人公の伊藤は「思う」と答えます。 「思う」これは僕の本心だった。死刑や刑罰の問題が起きるたびに持ち出される「人が人を裁いて良いのか」という主張が嫌いだった。何人殺しても死ななくて良い、とい…

 <伊坂幸太郎月間>『オーデュボンの祈り』vol.2

まだ、半分です。この作品の中には「桜」というキャラクターが出てきます。イントネーションは「上原さくら」のサクラではなく、まさしく木の「桜」と一緒。「桜」。人殺しです。そうでなかったら、「法律、ルール、規則、倫理と道徳(76項)」。桜の基準で…

 <伊坂幸太郎月間>『オーデュボンの祈り』vol.1

この作品の中に「城山」という男が出てきます。警察官です。前に読んだとき、わたしはこの男に吐き気を覚えたのですが、ずっとあとになった今でもその吐き気は記憶として残っていました。二度目なら少しは緩和されるかという期待もあったのですが、やはり吐…

 <伊坂幸太郎月間>

五月は<伊坂幸太郎月間>です。しばらく現代作家の作品からは離れていましたが、五月は伊坂幸太郎を読むと決めました。先日初めてお食事をご一緒させて頂いた方が、好きな現代作家のNo.1に伊坂幸太郎を挙げていたので、わたしもまた読んでみようと思ったの…

 <ドストエフスキー月間>『貧しき人びと』vol.3

ここにて、今月の成果は『カラ兄』と『貧しき人びと』の二作品という結果になりました。いろんなものを頭の中にぎゅっと詰め込みながら読んだので、パンパンな上に大混雑しています。記憶したものの通り道をうまく作ってあげることができません。でもすごく…

 <ドストエフスキー月間>『貧しき人びと』vol.2

とうとう4月もあと一日となりました。残り70ページです。なんとしても読み終えたいところです。 この作品は最初から最後まで基本的にはすべて、マカール・ジェーヴシキンとワルワーラ・ドブロショーロワとの「往復書簡」ですが、途中、ワルワーラの過去を記…

 <ドストエフスキー月間>『貧しき人びと』vol.1

さて、今月の終わりが近づいてきました。当初の目標は『カラマーゾフの兄弟』と『罪と罰』を読了することだったのですが、ああ、『罪と罰』は断念。わたしのスピードでは到底無理そうです。あと数日の間に読めそうなものをと思い、家の中を捜索した結果、見…

 読了です。

ドストエフスキー著『カラマーゾフの兄弟』。世界のあらゆる文学の中でも屈指の名作とされていますが、なるほど、この作品で提示されているテーマは実に広範囲で多岐にわたり、しかも深遠であるために、ここで自分が感想文を書くことは本当に難しいと感じま…

 中巻終了。(2round)

今週中に読み終えて、来週、感想を書きます。

 リ・リード

まさかこんなことになるとは思ってもみませんでしたが、最後まで読み、なぜかまた最初から読み返しています。 今月中に感想を書きたいものです。 ご購入はこちらから↓

 下巻真ん中。

あとちょっと。がんばれ、わたし。 ご購入はこちらから↓

 中巻終了。

中巻を読み終えました。ドミートリイが父親殺しの罪で刑務所に連行されて行きました。 あと、650項。 楽しみです。 ご購入はこちらから↓

 まだ中巻288項

温泉旅行に行った直後からペースが落ちてしまいました。がーん。のんびりしすぎたせいでしょうか。と温泉のせいにして、自分の持久力のなさを隠そうとしてはいけませんね。 ともかくまだ半分です。 ところでわたしは普段から眠りは深いほうで、夢もあまり見…

 529項

『カラマーゾフの兄弟』上巻の529項、第四編「病的な興奮」まで読みました。 上巻終了まであと、137項。 ご購入はこちらから↓

 ドイル自薦No.12『ライゲートの大地主』

さて、finalです。『ライゲートの大地主』。わたしの得た情報では2つ目の短編集『シャーロック・ホームズの思い出』に収録されているということでした。しかし、手元にある新潮文庫のそれには『ライゲートの大地主』が見当たりません。情報に誤りがあったの…

 ドイル自薦No.11『マスグレーヴ家の儀式』

ここまでわたしが読んできたホームズ作品の中で、ホームズがワトスン君と知り合う前に手がけた事件として描かれているのは、これが初めてではないかと思います。ホームズシリーズは基本的にワトスン君が語り手となって事件を記述しているけれども、この作品…

 ドイル自薦No.10『プライオリ学校』

学校へ預けた息子が失踪した事件です。頭の悪い息子を持つと親まで愚行に及ぶということのいい例ですね。親の地位と権力だけを頼りにした2世ほど、社会にとって迷惑なものはありません。一番大切なものを失わずに済んで本当によかったと思います。 現場から…

 ドイル自薦No.8『第二の汚点』

ここにきて長編を4つ、短編を8つ読んだことになりますが、自分がどんどんシャーロック・ホームズを好きになっていくのがわかります。長編よりもむしろ短編の妙に深い感動を覚えます。 『第二の汚点』は短編集としては3番目の『シャーロック・ホームズの帰還』…

 ドイル自薦No.7『オレンジの種五つ』

ここにもでてきました。KKK。キュー(クー)・クラックス・クラン。この団体の名前には個人的にトラウマがあって(原因はポール・オースターの『ミスター・ヴァーティゴ』です)、わたしはこの名前に出会うと、その出会い方の如何にかかわらず、胃のあた…